2012年5月8日火曜日

アルミホイルでデカイ版の巻

前々からやれねばならないと思ってはいたものの、その面倒さ故になかなか腰があがらなかった、エミリオンメトードで知ったアルミホイルを用いた大きい版の制作をやってみた。

最終目標は幅80センチ、縦120センチの大きさの版を刷る事だが、その前にクリアせねばならない幾つかの壁がある。

アルミホイルの幅は業務用のものでも30センチしかないので、何枚かを張り合わせなければならない事。

そうなると、ホイルを貼付ける支持体が必要になるが、その素材を何にし、また何を用いて貼付けるかという事。

また、それが高圧なプレスの往復に何度か堪えられる程の強度を有する事。

そして、今回は多色刷りであるので、恐ろしい程の枚数お用意しなければならい事もあり、出来るだけ低コスト、かつ高品質な版を自らの手で作りだすメソッドを考え出す事。


などなど、大まかに言えばこんな所であろう。いちおうここ数ヶ月、アルミホイルを使ってどう大きい版を作るかというのをボンヤリと考えていた事を実践してみた。

まず、支持体として用意したのは、普通の文房具店に打っている。B1サイズのおおきな白ボール紙にした。一枚200円と安いし、そこそこの強度もあるからだ。それ一枚ではさすがに大きすぎるので半分に切る。

アルミホイルと紙を貼付ける接着剤には、その量からしたら爆発的に安いドラッグストアで売ってる合成洗濯糊を使用した。もちろん価格だけに惹かれたのではない、この糊の粘性が低い事も理由の一つだ。
それを刷毛でボール紙のザラザラした灰色のほうに塗って、ホイルをそっと置いて紙をあてがいながらバレンで気泡が出来ないようにしゅっしゅと貼っていく。(これがなかなかの手間と運動量)
今回のテスト版は幅50センチ以上あるので、幅30センチのホイルを二列に張り合わせる必要がある。まず一枚を張った後に、その横にまた一枚を貼る。だがここで糊の思わぬ逆襲が。バレンで押し出された糊がアルミホイルの端から流出。まっさらなアルミの表面にべっとりと付着する惨事に。まだこの時点では、確認はしていなかったけど。こういう糊的なやつは大体アラビアゴムみたいにアルミと結びついて油を弾く作用をするんだよなと、嫌な予感。
まあテストだし仕方がないぜと気を取り直し、何とか張り付け完了。

そして早速描画。アルホイルはツルツルしているので、俺が通常使用しているホルバインの油性色鉛筆では滑って書く事が出来ないので、ダーマトを使用する。これでも時々滑ってしまうが、油分は間違いなく付着しているようなので、まあ大丈夫だろう。

さらに薄めた解墨を刷毛とリトクレヨンを使い、Sk液で封じてフィニッシュ。

Sk液が乾いた頃に水をつけたスポンジで洗い落として製版。デカイからエゲンラッカーとチンクタールを大量に使うのが新鮮にショック。デカイの久々やもんなー。

それで1日放置して

今日刷って見た。黒に黄色を混ぜた何とも汚い色をローラーで版に付けていく。この時気をつけないといけないのが、ローラーを転がす方向。アルミホイルの境目はアルミどおしが重なりあっているのだ、この時上に重なっているアルミの毛並み?に逆らうほうにローラーを転がすとアルミがべろりとインクの粘性に負けて剥がれてしまう事があるからだ。まったく面倒クセーですが、貧乏なんだから仕方がないよね。

まあなんとかインクを乗せて、自家製ハンディーリトプレス機零号に版と紙を挟み込んで刷ろうとしたのだが、版とスキージが引っかかっていてうまく動かなかった所を無理にやりに引っ張ったので折りからに水分を吸って柔らかくなっておた白ボール紙がぐしゃりと破れるというハプニングが。仕方がないので、厚めの定規を当てて刃物を磨ぐようにがんばって刷る。

んでこんな感じに。

やはり圧が足りないからマダラなテイストに。まあ定規やからな仕方なし。

それにアルミの境目がきっちり出ている。隙間に微細なインクが入り込んで、圧をかけた時ににゅっと押し出されてくるのだろうか?これが思いのほかクッキリでているのが気になる。

まあ久々のデカイ版はやはり壮快だなあ。デカイ分インクの匂いがきつくて嫌なのがねー。




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