2011年3月22日火曜日

製版時のしつこいSK液には!

まずは、描画。ホルバインの油性色鉛筆を、鉛筆削りで、尖らせては描き、尖らせては描きを繰り返しながら、細かい描写を心懸ける。輪郭線をほぼ書き終えたら、しばらく放置。油分をアルミ板と反応させる時間が必要だからである。今回は、一日くらいかな。僕の使っている、ホルバインの油性色鉛筆は、油分がいささか薄いのか、ダーマグラフやと解墨と比べて、この時間が短いと、線が薄くなってしまうので注意が必要。じゃあなぜホルバインの油性色鉛筆を使うのかというと、鉛筆削りで削れて楽だからという理由に他なりません。僕は無性の横着モノなのです。

一日置いてから、今度は、ハーフトンでの明暗を付けていきます。
鉛筆画と比べて、リトグラフの良い事は、マスキング技法が使えると言う事。紙だと、ここまで、便利なマスキングは、出来ないんじゃないかな?
まずは、一番白くしたい所から順に、SK液(またはアラビアゴム)をぬって行きます。
この絵では、まず目の光っている部分と、鼻筋、雨の軌跡、頭の曇り雲の一番明るい部分、傘の一部とか、他数カ所。
それから、ホルバインの鉛筆削りで出た、芯のカスを、皮を小さく切り取ったもののざらざらしている部分にこすり付け、縦横と優しくこすり付けていきます。
で、顔や雲ろか色々な所へ、マスキングを繰り返しながら、諧調を付けていきます。
で、さらに一日放置。
リトは時間がかかるのです。あわてない、あわてない。

これはほぼ原寸

で、製版。今回は、一度SK液を、水で全部洗い落としてから、もう一度、描画部分に薄めたSK液を塗り直し、描画部分外の所に、SK液の原液を塗って、エゲンラッカーの魔の手から防御する膜を塗り直します。なぜこんな手間を懸けるかといいうと、いつも、テレピンやホワイトガソリンで、描画した部分を、拭い落とすんですが、SK液は水溶性であるため、揮発性の溶液が、SK液の下に書かれた描画部分に浸透して、SK液を剥離せしめるまで、かなり時間がかかるのが面倒だったからです。
今回、始めて試みるが、どうだろうか?!
テレピンで描画部があっさりと消え去り、エゲンラッカー、チンクタールを満遍なく塗る。
ああ、全てが消えてしまったぞー!!!
やはり、失敗だったのか..............。(光っている線は、ボールペンで潰された版面)



しかーーーし。おおき ふみお(大丈夫)37歳 アルバイター 独身。
やってくれました。
製版インクを付けたローラーを転がしたら、現れましたよ、美人ちゃん。
やっぱ、美女は永遠に不滅だよな。

今回は、水で薄めた、SK液でも、エゲンラッカーの浸透を防ぎ得るという事が分かった。




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