リトグラフのメカニズム考

リトグラフは不思議な技術だ。アルミ版や石版に油性のペンや鉛筆などで絵を描き、アラビヤゴムやSK液で表面を塗ると、魔法が起こり、インクが付く面と付かない面が現れる。
一体、どういう仕組みなのかと、不思議には思っていたけど、まあそういう風になっとんのだろうと、あまり深くは考えなかった。実際、絵を描くのが目的な訳だったから。
今日、何気にリト関係の資料を見ていたら、簡単なリトの科学的説明が書いてあり、ふーむなるへそねえと感心して、さらに各単語をネット検索してみて、何となくリトグラフの仕組みが分かってきた。
リトグラフは魔法使いが使うような謎の液体が多々登場し、様々な効果をもたらすのだ。今日はその魔法に科学のメスを入れてみようではないか!!
まず、リトグラフで俺が普段使用しているのは、アルミ版なので、それで考えてみる。もちろん俺は化学の素人なので、推測の域を出ない所もあるが許してね。

アルミ版は、アルミニウムだ。そのすぐそのままアルミ版に油分のもので描いても、最上の反応は得られない。
まず製面しなければならない。製面とは、すなわち酸化させるということだ。製面液という謎の液体をアルミ版にすばやくかけて水で洗い流すのだ。
この液体は一体なんなのか?俺の資料によると、アルミニウムを硫酸アルミニウムにすると書いてある。これは推測であるが、おそらくあの透明な液体は薄い硫酸であると思われる。
酸化したアルミは酸化アルミニウムとなり。リトグラフの反応の受け皿となる。
そして、描画。油分の入った鉛筆とか、溶墨とかで何かしら描く。見た目には別段、変わらないようでも。版面の分子構造上では反応が起こっているのだ。ジャーン。
酸化アルミニウム + 脂肪(油分) が結びつくと、脂肪酸が出てきて、アルミニウムと結合して脂肪酸アルミニウムになる。これにより、以後油分を引きつける性質になるのだ。
そしてアラビアゴムやSK液を全面に塗るのだが、その訳は
酸化アルミニウム + アラビアゴム+硝酸 で硝酸アルミニウムになる。
この物質は吸水性があり水を引き寄せ、油を反発させる。
SK液にはおそらく硝酸が含まれているんだろうな。
?!!ちょっとまった!!硝酸を入れてないアラビアゴムだけでも、油を反発するぞ。なんでだろう。
この辺は、良く分からないが、アラビアゴムはアフリカのアカシア科の植物から取れる多糖類というやつで、アラビン酸というもので出来ているらしい。
これが酸化アルミニウムとかと化合してアラビン酸アルミニウムになり、親水性となるらしい。
つまり硝酸とアラビアゴムの同時攻撃だと考えればいいのかな。

これで、水をよくつけて、インクを載せてすればリトグラフは刷れるのだ。
このような、熾烈な戦いがミクロで行われていたんだなあと感慨。
そして、この原理がわかってくれば、未知のマテリアル「リトペーパー」の謎も分かってくる。
つまり、上記の油分の反応と酸の反応を紙の上で起こるようにすればいいのだ。
紙自体に混ぜるか、吸わせるかするのだろうが、なんせ水を多量に使うから直ぐにグズグズになるだろうなあ。
これなんか、かなり条件を満たしてると思う。酸化アルミに耐水性。今度試してみようかな。
http://jp.rs-online.com/web/search/searchBrowseAction.html?method=getProduct&R=4845813

アルミ版
アルミニウム + 硫酸(製麺液) = 硫酸アルミニウム(脂肪と結びつき易くなる)
硫酸アルミニウム + 脂肪(油性の描画用具) = 脂肪酸アルミニウム(油性と引き寄せる)
硫酸アルムニウム + 硝酸+アラビアゴム = 硝酸アルミニウム(水を引き寄せる)

石版
炭酸カルシウム + 脂肪 = 脂肪酸カルシウム
炭酸カルシウム +硝酸+アラビアゴム = 硝酸カルシウム 

独習なので、間違いがあると思います。

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