2012年5月31日木曜日

オリジナル リトプレス機完成!!



今年の始めに制作を開始した自作リトプレス機は前述のブログにあった様に、そこそこの性能を発揮したが、やはり如何せん低コスト低技術で作られた素人仕事では不備が多過ぎ、前途に立ち込めた暗雲に足がすくんでいた俺であった。だがある日、そう言えば俺の高校時代の同級生が鉄鋼加工を生業としている事を思い出した。直ぐさま俺はその男、竹中に連絡して強度のある部材をひとつおくれよと頼んでみると。奴め、そんな中途半端をやるより最初から全部頑丈なもんを作ってやると驚くべき事をいうではないか。
生唾を嚥下したのち俺は、俺の望みを紙に描いてファックスを送り、全てを竹中に託す事にしたのだった。

それから数ヶ月経った今日、遂に完成した自作リトグラフマシーンが俺の4畳半に重量10キロのボディを横たえた。
もどかしくも厳重に梱包された段ボールを引き裂いて漸く姿を見せたそれは、まさにマキナ(機械)そのものだった。一切の無駄の無いスリムな形状は部屋の中で咲いた異境の美術作品のようだ。
ステンレス、アルミ、スチールそして木を用いている。どれも丁寧に加工されているが、特にステンレスの美しさとすべすべ感に思わず魅了される。

アルミ、スチール、ステンレス、木材の複合構造。上部10個(多い!)で圧の調節。本体の下、左右に足をかけて挟んだベットプレート(合板)を手前に引き寄せ、両足を踏み込む。それによってスキージが版と紙の上を移動し刷る事が可能という仕組みなのです。板は外れるし、本体は立てかける事も可能。天才?

真ん中が微妙に弓なりになっているのは、あまりに強力な締める力により鉄の部材が曲がってしまった為。友人は版画に不案内な為、ここまで力を加えなければならないというのがどうにも分からなかったらしく、むしろ使い易さの為に強度を犠牲にして軽量化を計った優しさ設計が徒となった。
部材は悲鳴をあげているが、まだいけそうなので、壊れるまで使う事にします。

弓なっている。板が滑り易いようにステンレス加工されているのが憎い。
最近大きいの描いてなかったので、昔のを刷ってみた。



これA3サイズだからかなりでかい。これを家で刷れる喜びと来たら。
やや刷りムラがあるが、それは今後の調節で潰していくとしよう。
それにしてもリトグラフ知らない人が作った刷り機でここまで刷れたというのが面白い。




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