ゴシゴシでハーフトーン

輪郭をあらかた描き終わると、次に細部の描写にはいっていきます。
蔵書票はサイズが小さいから、絵が進むのが早くていい。
でも、性格上拙速になりがちなので、注意して進まないと失敗してしまう。
リトは書き直しが出来ないので、気をつけないと。

あらかた主要な細部を書き終えると。次は明暗のグラデーションを付けていく。銅板画で言えば、アクアチントの効果に似ている技法だ。

俺が独力で考え出したものだけど、やってる人はやってるだろうな。

名づけて「ゴシゴシ画法」だ。




これは、色鉛筆の削りカスから、芯の部分が粉末状になったものをより分け、これを皮の裏側のザラザラしている所につけてアルミ版をゴシゴシやると、ハーフトーンの諧調を容易に出すことが出来るというミラクルな技なのだ。

これを段階を分けて行えばグラデーションが簡単に、しかもアルミ版の目立てされている、粒状の粗い効果ではなく、ベルベットのようなやわらかい自然な効果が得られる、ビューティフルな技なのです。

さらに、これをSK液(もしくはアラビアゴム)を使用した、マスキング技とコンボすれば、明るい所、暗い所を細かい所まで調子付ける事が出来るのだ。SK液でマスキングした所は明るく、していない所は暗くなるという按配だ。
今は白黒での場合の話をしているけど、これを色版にして考えた場合、薄く諧調をつけたそれぞれの色版を、それぞれ紙の上で刷り重ねる事により、少ない枚数で数多くの色を発現できるのである。だがこれはコントロールが難しくて、俺も未だ上手く出来ないのです。修行不足なのだ。これは回数を重ねて濃淡の兼合いが分かるような職人技なのだ。これはおいおい実験して行こうと思う。




でSK液マスキング&ゴシゴシとのコンボ技で明暗の効果が出る事を願ってSK液を全面に塗り描画は終わり。

明日は製版だぜ。

二ヶ月ぶりくらいのリトは、勘が鈍ったのが良く分かった。きっと出来はイマイチだろうな。

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