アラビアゴムチョーク

ずっとずっとずっとそれこそ、リトグラフを始めた頃から、あればいいなと思っていたものがあった。

ダーマトグラフ等の描画道具でアルミ板に線を引くと、アルミ板の表面のザラザラに削られて、擦れたような味のある線になる。いとも簡単だ。

だがその描画の対極に位置するインクが付かない面、すなわちアラビアゴム並びにSk液が塗布する面はどうしても液状であるが故に滑らかな風合いならざるえない。表現上どうしても擦れた具合にしたいときは、筆でそれっぽく描くかなどをする必要があったが、やはりそれは言ってしまえばフェイクであり、描画具で描いたもののそれとくれべれば似て非なるものと言わざるえない。

そこで、この度我が4.5ラボで開発したのが、描いた所が白く抜ける

『アラビアゴムチョーク』だ!!! 

まずSK液に固着用の木工用ボンドを混ぜてから、粉末状のアラビアゴムをまぶして、耳たぶくらいの硬さになるまでこね、両手の掌でコロコロと転がしながら細い棒状にする。
それを1日乾かして完成。

使い方はただアルミ板に描いても、あまり効果はない。
チョークは乾燥している為、アルミ板の上をからからとただ滑るだけだ。
だから、アルミ板の表面に水分があれば、描画時にチョークが溶けてアルミ板に付着する。

水を濡らしてもいいのだが、何と言っても描画時のアルミ板の扱いは難しく、版を駄目にしてしまう事もあり得る。

そこで考えたのが、人間の吐く息に含まれる水蒸気を使う。
やり方は簡単でただ、アルミ板に出来るだけ口を近づけ、はああああああと息を吐いて、アルミ板の表面を湿らせるやる。

そうやって息を吹き付けながらチョークで描くと、版の表面に灰色の線が確かに出来る。
描き終わったらSK液を塗ってしばらく置くかドライヤーで反応促進。
それを製版すると!!!!!

なんと、うまくい行ったぞ、すごい!!!

これを使えば作風にまた奥行きがでそうだぜ!


その後、アラビックヤマト液状のりとアラビアゴムの粉末を混ぜて作ってみた所、息を吹きかける必要もないほどの柔らかい描き味を実現しました。
もち油分をばっちり弾きます。
下は描いてすぐに製版したもの。
いけまっせ、お試しあれ!


追補

前述の糊とアラビアゴムの粉末だけでは、硬くなり過ぎてアルミ板を傷つけてしまうので、チョークをもう少し柔らかくする必要がある。
そこで、俺は『タルク』を混ぜてみる事にした。
さらに、描いたあとの筆跡が分かり易いように、白色の水彩絵の具を混ぜてみることにした。水彩絵の具はアラビアゴムが入っているからである。
配合に関しては適当に。

で出来たのが見栄えが悪いけどこれ。


試していたが、ちゃんと使えました。




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